切り紙版画の進め方   西尾 環

 (県図工美術研究大会・全国子ども版画大会での資料をやや改善)平成13年度作成

1 切り紙版画のよさ
(1)白と黒のコントラストがはっきりしている。
(2)刷った絵は左右が逆にならない。
(3)切るときに失敗しても修復が簡単である。
(4)楽しみながら自分で確認し、切り進むことができる。

2 用具と材料
(1)版を作るための材料  ケント紙(180kg)
(2)版を作るための用具  上質紙(A3)・鉛筆(4B)・カーボン紙・黒マジック・
                 デザインカッター(アートナイフ)・カッターマット・
                 ニス・ニス刷毛
(3)刷るための材料    刷り紙・ゴッホ画用紙
(4)刷るための用具    プレス機・フェルト・ゴッホ(ピカソ)用紙・
  裏紙(印刷ミスのB4の紙2枚の裏など)


3 手順( 西尾 自作資料 )と指導上のポイント
段階  活動内容 留意点
1 下絵 上質紙に枠を取って、鉛筆で下書きをする。
(大まかな白黒分けは しておく)
・枠の形は約1.5cm幅の直線がスタンダードだが、絵によって、いろいろあっていい。
・線と線がつながったり、重なったりするように。 (黒の連続)
・できれば大きい黒のかたまりとなる部分(主役級 のもの)が、ほしい。
2 転写
ケント紙に、下絵をカーボン紙で写し取る。 ・ケント紙の上に下絵を重ね、セロテープで3カ所止める。
・2枚の紙の間にカーボン紙を はさんで写し取る。
3 白黒分け
マジックで線を太くし、白黒に分けてきちんと書く。 ・黒のとなりは白が基本。
・白の中の黒は太めに。
・黒と黒が2カ所以上くっつくように。
・ハーフトーンを効果的に使うように。

4 版切り

デザインカッターを使って、ケント紙を切り取っていく。 ・小さい部分から先に切り取る。
・OHPで確かめながら切るとよい。
・刃を押し込み(プシュ)、手前に
 引いて切る(スー)。
・手でちぎらない。
・切りすぎは、セロテープですぐ修理できる。
(子どもへの安心感を)
5 ニス塗り
版の裏にニスを
塗り、乾かす。
・2回塗る。(二人組で交代しながら塗るとよい)
・新聞紙をくしゃくしゃにしてから広げて版を上に置く。
6 インクぬり ローラーで版にインキをぬる ・油性インキで。
・一方通行で塗る。
・紙を巻き取っていないか注意。
7 刷り

プレス機で刷る。

ローラー
ーーーー フェルト
     ゴッホ
   −  刷り紙
      版
   −  裏紙

    鉄 板
・紙を置いたり、ローラーを回したりするこつを子どもに教え、自分たちで協力してできるような用具の配置も考える。
・ゴッホに直接刷ってもよい。 (その場合、版画用の刷り紙はなし)

*刷り紙の上のゴッホ画用紙や一番下の裏紙はフェルトや鉄板にインクがしみこまないようにするため。新聞紙でもよい。