成人ディスレクシアの独り言 本文へジャンプ
成人ディスレクシア toraの独り言

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このページをきっかけに、自分の人生を見つめなおす機会をいただいています。
それでも、届かないあの日への思いは消えません。
それならば、あの日の自分がほしかった場所、出会いたかった大人になりたいと思うようになりました。
自分は大工です。

toraの検査をしていただき、その後も活動を応援してくださっている竹田契一先生のブログです。
竹田先生の深く大きな愛情に、たくさん救われてきました。
大恩人のお1人です。

竹田契一先生のブログ


43歳で、自分がディスレクシアだと知りました。

救われた部分もあります。
でも、たくさんのあきらめてきた道を思い、身もだえするほどの口惜しさの中、眠れない夜もあります。
忘れたいのに忘れられないたくさんのシーンを、吐き出すことで少しずつ整理していきたいと思います。
同時に、今この瞬間、「読み・書き」の困難に苦しんでいる子達が、自分のような思いをすることなく成長していってほしい、そんな思いも重ねて書いています。

今回、こうして整理してみようと思い立って、生まれて初めてA4に数十ページもの文章を一気に書きました。吐き出してしまいたい封印してきた「思い」は、50前になってなお、重く大きいです。何十年も前のことなのに、今思い出しても涙が止まらないシーンも少なくありません。
愚かだった自分への後悔もたくさんあります。でも、あの時は「そうするしかない」と脅迫にも似た思いに駆られていたのも事実です。
もし自分の障害を知っていたら、教育の機会が保障されていたら、私はあそこまで自分を追い込まずに済んだのではないか、何もかもをあきらめて来ずに済んだのではないか。救ってほしいのは、今の「私」ではなく、もがいていた子どもの頃の「オレ」です。

長い、とても長い間、自分は「文章」を書いたことも書こうと思ったことも、書けると思ったこともありませんでした。
パソコンや携帯に出会い、「下手な文字」「漢字の間違い」から解放されたことで、短い文章を必要に応じて少しずつ打つことはできるようになっていましたが。それでも、思いを全て伝わる文章に起こしていくことは、なかなか難しい現実があります。
今回、自分が書いたものを妻に読んでもらい、さらに当時の様子を話すことで、彼女に文章としては再構成してもらいながら、二人でこのページを作っています。


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ご縁がつながり、当ホームページが、ぶどう社さんから書籍として出版されることになりました。

お話をいただいたときも、その後の作業をしていたときも、実際の本を手にした今でさえ、
壊滅的に読み書きができなかった自分が本を書いたなんて、信じられない気持ちです。

読み書きに関することは、「何もできない」と思って生きてきました。
でもそうじゃなかった。
妻やぶどう社さんに助けてもらいながらではありますが、パソコンや携帯を使えば、自分の思いをこうしてまとめて行くこともできるんだ。できたんだ。
そのことが、たまらなくうれしくて、同時に、ずっとそれを知らずに生きて来なければならなかった日々が、どうしようもなく悔しいです。

ずっと「知られてはいけない」と、隠して生きてきました。
でも今は、「たくさんの人に知ってほしい」と、心から思います。
私が伝えられるのは、あくまで自分の経験だけですが、
「こんな人もいるんだな」と知っていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
皆さんに知っていただくことで、かつての自分のような思いをする子がいなくなることを、心から願っています。
                         tora