成人ディスレクシアの独り言 本文へジャンプ
本の紹介
大震災 自閉っこ家族のサバイバル





3月11日、津波警報に包まれていく日本列島と、
とても現実とは思えない映像に、テレビの前から動けなくなりました。
私の住む場所は、東北から遠く離れていますが、
それでも同じ日本人として、
家族を持つ一人の人間として、
胸がはりさけそうでした。
「何ができるか」
「何かしたい」
そう思いながらも、
願いをこめて募金するくらいしかできない自分。
画面の向こうとあまりにもかけ離れた、
今までとかわらない日常が続いていることへの違和感。
ごちゃまぜの思いは、今もどうにも整理がつきません。
もちろん、被災された皆さんの痛みは、
想像もつかないものだと思います。
私には、かける言葉すら、思いつきません。

誰もが未曾有の出来事に大きく揺さぶられる中、
自閉症のお子さんをお持ちのご家族が過ごしてこられた日々を、
いえ、今こうしている時も過ごしておられるリアルな現実を、
この本は教えてくれました。
想像もつかない悲しみや痛みの中、
それでも人はこんなにも優しく強いのだということも、教えられました。
形の見えない「大震災」という存在でなく、
その中で生きる、1人1人を忘れない、
何ができるかわからないけれど、
自分にできることをやり続けていく。
この本を読みながら、そんな思いを強くしています。

震災で犠牲になられた皆さんのご冥福と、
被災された皆さんに、一日も早く穏やかな日常が戻りますことを、
心よりお祈り申し上げます。


                   tora